セリンと天然保湿因子NMF

セリン (serine) とは、αアミノ酸の一つだ。

 

タンパク質は20種類のαアミノ酸が70個以上組み合わさってできていて、9つの必須アミノ酸と、11個の非必須アミノ酸の二つに分類される。

 

必須アミノ酸というのは、人間の体内で合成できないアミノ酸で、食品から必ず摂らないといけないタイプのアミノ酸だ。

 

必須アミノ酸は、肉や魚、卵などにバランス良く含まれている。

 

ただ米や小麦などの穀物には「リシン」というアミノ酸が少ないため、リシンが多い大豆などの豆類と食べ合わせないとバランスが悪い。

 

体内でのタンパク質の合成量は、一番不足している必須アミノ酸の量で決まるので、一つでも少ないアミノ酸があると、その量で全体量が決まってしまうのだ。

 

今回のテーマのセリンは非必須アミノ酸で、必須アミノ酸を材料にして体内で合成できるので、強いて摂る必要はない。

 

セリンも、グリシンなどから体内合成できるため、特にセリンを多く含む食品を摂らなくても構わない。

 

もちろん体内で合成できると言っても、食べれば吸収されるし、吸収された非必須アミノ酸も、タンパク質の合成材料として使われるので、無駄にはならないが。


セリンは体内で生合成できるアミノ酸で、特に注意をする必要が無いアミノ酸だ。

 

ところが皮膚に関して言えば、セリンは非常に重要な働きをしているアミノ酸だ。

 

セリンはセラミドの原料の一つで、パルミチン酸とセリンからセラミドが作られる。

 

また、セリンは天然保湿因子(NMF)の成分の一つで、乾燥肌にも関係が深い。

 

天然保湿成分(NMF:Natural Moisturizing Factor)とは、簡単に言うと、水分を肌に留めておくための成分だ。

 

皮膚の表面の表皮は、ラメラ構造と言う、セラミド脂質層と水分の層が交互に20〜30層も重なる形になっている。

 

しかしセラミドはあくまでも脂質であり、水にも油にも溶けない。

 

セラミドは水酸基を2〜3個持っているので、多少の親水性はあるのだがが、水分を肌に留めておくほどの力はない。

 

そこで水分を肌に留めておくために働いているのが、天然保湿成分だ。

 

天然保湿成分の40%が遊離アミノ酸で、ピロリドンカルボン酸(PCA)と乳酸塩が12%ずつ、そして7%が尿素となっている。

 

ピロリドンカルボン酸(PCA)は、保湿力が高い成分で、グルタミン酸から作られる。

 

一方、遊離アミノ酸の中で一番多いのが、親水性アミノ酸のセリンで、水と馴染みやすい。

 

セリンの他には、グリシン、アラニン、スレオニン(トレオニン:親水性)などが含まれるが、3割はセリンになっている。

 

遊離アミノ酸とピロリドンカルボン酸は、フィラグリンというタンパク質の分解物で、これをうまく分解できるかどうかも、肌の保湿に関係があるらしい。

 

因みにセリンを多く含む食品には、乳製品や大豆製品、カツオなどがあげられる。

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