フィラグリンは、皮膚バリアの重要成分

フィラグリン(Filaggrin)とは、皮膚の表皮の角層細胞で作られるタンパク質だ。

 

フィラグリンはケラチンと共に、皮膚バリア機能を支える働きをしている。

 

フィラグリンは、分解されるとセリンなどの遊離アミノ酸、ピロリドンカルボン酸(PCA)といった天然保湿因子NMFとなり、肌から水分が蒸発するのを防ぐ役割をする。

 

またこれらの代謝物・分解物は酸性で、肌表面のpH値(ペーハー)を下げて肌表面を弱酸性に保つ。

 

そのため、フィラグリンがキレイに作れないタイプの遺伝子を持つヒトは、AD発症(アトピー性皮膚炎)などの皮膚の病気にかかりやすいのではないかと考えられている。

 

アトピー患者の皮膚の肌には、黄色ブドウ球菌などの様々な悪玉菌が多いというが、その一因は、フィラグリンの分解物が少なくて、肌が弱アルカリ性側に傾いているせいだということらしい。

 

そのため、フィラグリン蛋白を増やしたり(フィラグリン産生促進)、その代替となる成分の研究が、様々なところで進んでいるようだ。


またフィラグリンに異常があると、免疫力も落ちて刺激に敏感になるため、痒みが増してボリボリ掻いてしまうという。

 

痒みは神経成長因子(NGF)を刺激し、神経が表皮近くまで伸びてくるため、さらに痒くなる。

 

そしてボリボリ掻いて物理的に皮膚の表面を壊すと、それが原因でフィラグリンが作られにくくなるという説もあるようだ。

 

ただし、フィラグリン変異遺伝子を持っていても、温暖で湿度が高い地域に住む人には、皮膚のトラブルが起こりにくいと言う報告もあるらしい。

 

AD発症に関しては、生活のストレス、エアコンの使いすぎによる乾燥、石けんの使いすぎによっても、発症率が異なるので、フィラグリン遺伝子だけの問題でも無いらしい。

 

皮膚炎や皮膚トラブルの大きな要因は、何よりも皮膚のpHや水分量だということらしい。

 

因みに2015年前後から、「フィラグリン産生促進剤」の特許申請が数件出ているので、近々フィラグリン産生促進剤と銘打った軟膏や塗り薬が上市されて、皮膚科などで処方され始めるかも知れない。

 

★参考:皮膚バリア機能を高めることでアトピー性皮膚炎の症状を改善させる内服化合物を発見(京都大2013年)

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