素材によって全く違う

食用油の話の続き。

 

第二次世界大戦後に行われた日米欧6カ国研究によって、心臓病の少ない地中海食が健康的でヘルシーだと考えられた。

 

スペインやイタリア、ギリシャと言った地中海沿岸諸国では、肉よりも魚、バターよりもオリーブオイルの消費量が多く、それが心臓病患者が少ない理由ではないかとされた。

 

そして動物性脂肪が心臓病の原因かも知れないと推定され、動物性脂肪を減らして、代わりに植物油を使うことが推奨された。

 

バターよりもマーガリン、肉よりも魚、さらに穀物の方が健康に良いとされ、植物油や穀物食が推奨された。

 

その結果、心臓病が減ったかというと、期待したほどには減らなかった。

 

そしてまた植物性油の消費量が増えるに従って、別の問題も起こってきた。

 

というのも一口に植物油と言っても様々な種類があり、油を絞る素材や加工法によっては、かえって健康に良くなかったのだ。

 

食用油は、様々な「脂肪酸」という成分でできている。

 

そして油を絞る素材によって、脂肪酸の構成は大きく異なるのだ。

 

以下に示したグラフは、主な食用油の脂肪酸構成を棒グラフで表したものだが、かなり違いがあることが分かるだろう。

 

植物油の脂肪酸構成の比較

 

赤色がαリノレン酸(オメガ3系統)、青緑がリノール酸(オメガ6系統)である。

 

 

 


上のグラフで示したとおり、一口に植物油と言っても、成分はかなり違う。

 

大雑把にまとめると、αリノレン酸を多く含むのが、近年関心が高まっている亜麻仁油エゴマ油シソ油だ。

 

αリノレン酸は、炎症を抑え、アレルギー対策にも良くて健康に良いとされている。

 

ただαリノレン酸は非常に酸化しやすい油で、長期保存に向かない。

 

一方、リノール酸はαリノレン酸と比べると比較的酸化しにくいので、食用油としてはこちらの方が多用されている。

 

オリーブオイルは、αリノレン酸もリノール酸もあまり含まないが、さらに酸化しにくい油だ。

 

過酸化脂質の害を考えると、酸化しやすい油は保存に向かないので、大量生産には向かない。

 

そのため、アレルギーや炎症を抑える働きのあるαリノレン酸が多い油は、なかなか広まらなかったということが言えるかも知れない。

 

健康に良い油として近年注目されているココナッツオイルは、他の素材には含まれないカプリン酸やラウリン酸などを含んでいて、他の油とは脂肪酸構成が全然違う。

 

ココナッツオイルの主成分であるラウリン酸は抗菌作用があり、さらに短鎖脂肪酸で吸収が速く、すぐにエネルギー源にもなる。

 

そのため、アルツハイマー病の予防効果も期待されているらしい。

 

短鎖脂肪酸はすぐにケトン体に変換されて、脳のエネルギー源になるらしい。

 

この辺の研究も10年も経てばさらに進むんだろうけど。

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